葉が丸く花の白いマルバスミレは、園内だとセラピーロードやかおりの路などに点在するようにして自生しています。写真のマルバスミレをよく観察すると、細かい「毛」が確認できます。これを変種のケマルバスミレと分けて呼ぶ人もいます。スミレの世界に限らず、植物の分類方法では「種」をさらに「亜種、変種、品種、雑種」などに細分化して分類することがよくあります。
さらにスミレは種子を実らせると、種子にエライオソームという物質を付けます。これに誘引されたアリは、餌として種子を巣穴へ持ち帰ると、このエライオソームだけを食べて種子を巣穴に残します。そうすると巣穴に残った種子は、乾燥を避けるだけでなく、親よりも遠くに分散して発芽することで、子孫の分布エリアを広げることができます。
こんなに小さな花にも関わらず、スミレの世界はとても広いですね。