森林館から歩いて2~3分の場所にあるシカ柵のなかでは、現在ヤワタソウの花が最盛期を迎えています。
檜原都民の森にあるヤワタソウ(ユキノシタ科)は、都内最大の群落があるとされています。東京都環境局が発行している東京都版レッドリストによれば、ヤワタソウは「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い」と言われ、絶滅のおそれが最も心配されている種のひとつとされています。ここ数年で野生のニホンジカの個体数が全国的に増加しており、その影響を受けてヤワタソウも食べられてその個体数を減らしていると考えています。
この梅雨時期にヤワタソウ以外にも咲きはじめるのがコアジサイです。
アジサイ科に分類されるコアジサイは、日本のアジサイの仲間で唯一装飾花(そうしょくか)を持たないアジサイで、花の匂いを使って訪花昆虫(ポリネーター)を誘引していることで知られています。
霧が立ち込めるような登山道を歩いていると、ほのかにコアジサイの匂いを感じることができます。
コアジサイを観るには、「かおりの路」がオススメです。皆さんも、この梅雨時期の三頭山を歩いてみてはどうでしょうか!