皆さんはニホンヤマネをご存知ですか?
日本に棲息するニホンヤマネは、げっ歯目ヤマネ科ヤマネ属に分類される1科1属1種の日本の天然記念物です。学名( Glirulus japonicus)にはジャポニカスという「日本」を意味する名前が入っている日本固有種でもあります。
ヤマネはここ檜原都民の森に生息しており、園内のあちこちに設置された「ヤマネ専用」の巣箱を利用しているのも調査のなかで分かっています。
ヤマネはネズミの仲間ですが、逆さまで木の枝を走ることができるだけでなく、後ろ足でぶら下がったままエサを食べることができます。逆さまで枝の下を走ることができるヤマネは、日本に棲息するニホンヤマネだけです。
園内に設置されたヤマネ巣箱
調査で中を覗くと、この様な巣材が入っていることがあります。これがヤマネの巣材です。園内や檜原村、奥多摩町などで確認できるヤマネの巣材の多くはスギの皮を裂いているものがほとんどです。他県ではコケだけを使うヤマネの巣材もあったりします。
ヤマネの巣箱利用
園内のヤマネ巣箱は、都内の高校生たちもクラブ活動で調査しています。巣材確認をしている調査中、巣箱の中で眠っているヤマネに出会うこともあります。
ヤマネの樹上巣
かおりの路に落ちていた古いヤマネの巣です。樹上のどこかで巣を作っていたのでしょうか?古くなって路に落ちていることもあります。
ヤマネの巣箱作り
檜原都民の森の自然教室では、ヤマネの巣箱作りを学ぶ「ヤマネの巣箱作り講座」(9月20日)も開催しています。ヤマネの巣箱の入口は、野鳥の巣箱と逆向きにつけるのが特徴です。先に野鳥が巣箱を使わないようにするのと、樹木の幹をつたってやってくるヤマネが巣箱に入りやすくするように作られています。
完成したヤマネの巣箱です。
樹木に設置すると、この様な感じになります。
ヤマネの巣箱を利用する野ネズミたち
巣箱にはヤマネ以外にもヒメネズミなどの野ネズミも巣箱を利用しているのも確認することができます。夏に巣箱調査をしていると、巣箱内でスズメバチが巣を作っていてビックリすることもあります。
ヤマネは冬眠する哺乳類であることでも有名です。晩秋から春先にかけて寒い冬を乗り切るために倒木や朽木のなかで冬眠することが分かっています。冬眠は心拍数と体温を下げ、ご飯も食べません。時々、山沿いの古民家や山小屋の押し入れで冬眠してしまったヤマネが発見されることもあります。
普段は探すことのできないヤマネですが、檜原都民の森へ遊びに来た際は、剥製展示室でヤマネの展示もしているのでぜひ見に来てくださいね!