昨年の8月頃、東京で野生動物を研究している大学生たちと一緒に、森林館の横や大滝の路沿いに大きなフクロウ用の巣箱を設置しました。残念ながらまだフクロウもムササビも利用しているところを確認できていませんが、今後に期待です。この大きな巣箱は、「樹洞(じゅどう)」と言って樹木にできた穴をマネて、その穴を使って生活する動物たちの棲息を確認できるように仕掛けたものです。巣箱を設置して動物が入ってくれれば、檜原都民の森にどんな動物がいるのかが分かります。例えは次の写真はそんな「樹洞」で生活している代表的な動物です。
「ムササビ」
里山にある神社に向かうと、ご神木に樹洞があいている場合があります。昼間にその神社をウロウロして、ムササビの糞があれば、夕暮れにそっと顔を出して辺りを警戒しながら餌を探しに出ていく姿に出会うかも知れません。観察のとき、木を叩いたりライトをあてて脅かしてしまうと、その樹洞を恐れて引っ越してしまうので細心の注意が必要です。
「モモンガ」
こちらのモモンガも、日没15~20分後に神社にあるスギの木から顔を出してくれました。ムササビが猫サイズあるのに対して、モモンガはリスほどのサイズしかありません。檜原村や奥多摩町で出会う確率はとても稀です。
「滑空するモモンガと樹洞から顔を出すムササビ」
この写真のなかにモモンガとムササビがいるのが分かりますか?このように里山近くの神社には巨木が残されていて、ムササビやモモンガ、フクロウなどが生活することができる樹洞も残されています。このような樹洞は自然に形成されるものもあれば、キツツキの仲間が繁殖のために掘ったものを他の動物たちが利用してできあがるものもあります。キツツキたちは森の動物たちに住宅を提供してくれるので、生態系のなかではとても重要な動物でもあります。
しかし最近では安全管理上、樹洞がある木は倒木の危険性があるため、神社のご神木であっても伐採されてしまうことがあります。将来に動物たちが生活できるような環境を残せたらいいですね!